退職願と退職届の違いは?退職したいときに出すのはどっち?

退職願と退職届と書かれた2枚の書類と、違いを問いかける見出し ことば

会社を辞めたいと思ったとき、「退職願」と「退職届」のどちらを書けばよいのか迷うことはありませんか。

基本的には、退職願は「退職を認めてほしい」と申し込む書類、退職届は「退職します」と意思を通知する書類です。

ただし、「最初は必ず退職願を出し、認められたら退職届を出す」という順番が、すべての会社で必要なわけではありません。書類の名前に加え、本文の内容や退職の進め方を確認することが大切です。

この記事では、一般の会社で働く人が自分の意思で退職する場合を中心に、2つの書類の違いと選ぶときの確認点を整理します。

退職願と退職届の違いを比較

比べる点退職願退職届
読み方たいしょくねがいたいしょくとどけ
基本的な意味退職を願い出る退職する意思を届け出る
典型的な使われ方会社との合意による退職を申し込む会社の承諾にかかわらず退職する意思を通知する
本文の表現例退職いたしたく、お願い申し上げます退職いたします

厚生労働省の用語集でも、退職願は退職を願い出る書類、退職届は退職を届け出る書類として説明されています。[1]

ただし、法的な扱いは表題だけで決まるものではありません。書面全体と、提出までのやり取りなども含めて判断されます。[2]

退職したいときに出すのはどっち?

会社と合意して退職を進める場合

退職時期などを会社と話し合い、合意して辞めるための申込みであれば、一般に「退職願」が使われます。まず就業規則や社内の案内で、提出書類・提出先・指定様式を確認しましょう。

合意による退職では、会社が申込みを承諾することが必要です。「退職願を出したから、希望日に辞めることが確定した」とは限りません。[3]

退職すると決めて、その意思を通知する場合

会社の承諾を条件にせず、退職する意思を明確に伝える書類が「退職届」です。神奈川県弁護士会も、一方的な解約の通知という性質を説明しています。[2]

ただし、退職届を出せばその日に辞められる、という意味ではありません。いつ退職できるかは、雇用期間の定めの有無などによって変わります。

会社から書類を指定された場合

会社によっては、社内手続で使う様式の名前が「退職願」になっていることもあります。名前だけを見て書き換えるより、何のために提出する書類なのか、退職日について合意済みなのかを確認してください。

一方、退職を認めてもらえず困っているときや、書類の内容に納得できないときは、署名・提出する前に相談する方法もあります。会社指定の書類であっても、書かれている内容の確認は必要です。

「退職願を出してから退職届」は必須?

退職願と退職届を、必ずセットで出すという一律のルールはありません。会社の手続で両方を求められる場合もあれば、所定の書類1つで進める場合もあります。

確認したいのは、枚数や順番だけではなく、次の3点です。

  • 退職を申し込む段階なのか、退職する意思を通知する段階なのか
  • 退職日について、会社とどのようなやり取りをしているか
  • 提出する書類の本文が、自分の意思に合っているか

「願という字なら軽い相談のつもりで出しても大丈夫」と考えず、提出前に本文まで読み直しましょう。

提出した後に撤回できる?

一般に、合意退職の申込みは会社の承諾前であれば撤回できる場合があります。一方、退職するという一方的な意思表示が会社に到達した後は、原則として会社の同意なしに撤回できません。[2]

退職願であっても、すでに承諾されていれば話は変わります。誰に、どんな内容を伝え、その人に退職を承諾する権限があったかなども関係するため、「退職願ならいつでも取り消せる」とは考えないようにしましょう。

撤回を考えている場合は、時間を置かずに意思を伝え、やり取りを記録しておくことが役立ちます。判断に迷うときは、労働相談窓口や弁護士に相談してください。

退職の申出はいつまでにすればいい?

期間の定めがない雇用契約の場合

厚生労働省は、期間の定めのない労働契約では、原則として退職の申入れから2週間を経過すると契約が終了すると案内しています。[3]

実際の手続を進める際には、就業規則の申出時期や引き継ぎも確認し、余裕を持って退職日を相談すると進めやすくなります。ただし、会社の了承が得られない限りいつまでも辞められない、というわけではありません。

期間の定めがある雇用契約の場合

契約期間の途中での退職は、無期契約の「原則2週間」と同じに扱えません。会社との合意や、やむを得ない事由の有無などを確認する必要があります。一定の有期契約では、契約開始から1年経過後の退職について特例もありますが、適用には条件があります。[3]

「正社員」「パート」「契約社員」といった呼び方だけで決めず、雇用契約書や労働条件通知書に、契約期間がどう書かれているかを確認しましょう。

迷ったときは、書類の名前・本文・雇用契約を確認

退職願と退職届を選ぶときは、次の順に整理すると考えやすくなります。

  1. 雇用契約書で、契約期間の定めがあるかを確認する
  2. 就業規則などで、提出先・様式・申出時期を確認する
  3. 合意を申し込むのか、退職する意思を通知するのかを整理する
  4. 書類の本文と退職日を確認し、提出した内容や連絡の記録を残す

提出を受け付けてもらえない、退職日で争いになった、といった場合は、厚生労働省「総合労働相談コーナー」などで相談できます。[4]

退職願は退職のお願い、退職届は退職の意思の通知が基本です。書類名だけで判断せず、自分の意思と本文が一致しているかを確認してから提出してください。

「辞意」「辞任」「辞職」という言葉の違いも気になる場合は、辞意・辞任・辞職の違いをまとめた記事も参考にしてください。

参考資料

情報確認日:2026年10月26日。本文は制度・用語の一般的な説明です。個別の退職の効力や撤回の可否は、契約内容や具体的な経緯によって異なります。

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